半導体の前工程・後工程の英語一覧|front-end・back-endと工程名の言い方、FEOL・BEOLとの違い

半導体の前工程・後工程の英語を示す図解。ウェーハのfront-endとパッケージのback-endを英語の札で示したイラスト 半導体製造(前工程・後工程)
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半導体の前工程・後工程の英語は、前工程が front-end(フロントエンド)、後工程が back-end(バックエンド)です。前工程は wafer fabrication、後工程は assembly, packaging and test(ATP)とも書きます。

海外の取引先とのメールや装置メーカーの英語サイトでは、日本語でなじんだ工程名がそのまま通じないことがあります。成膜・露光・ダイシングなど工程ごとの英語は、表にまとめました。FEOL・BEOL は別の意味です。

すぐ引きたい方は 前工程の工程名の英語一覧/後工程の工程名の英語一覧/FEOL・BEOLとの違い

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前工程(ウェーハに回路を作る)
基板 成膜 露光 エッチング ドーピング CMP 洗浄 配線 計測
後工程(チップに切り分けて仕上げる)
ウェーハテスト バックグラインド ダイシング ボンディング 封止 最終テスト 先端パッケージ
この記事は、前工程と後工程のすべての工程の英語をまとめた辞書のページです。工程の中身は、それぞれの記事で解説しています。

前工程・後工程は英語で何という?

先に結論

半導体の前工程は英語で front-end(フロントエンド)、後工程は back-end(バックエンド)といいます。前工程は wafer fabrication(ウェーハの製造)、後工程は assembly, packaging and test(組み立て・パッケージ・テスト)とも書き、後工程の頭文字をとって ATP と呼ぶこともあります。

米国半導体工業会(SIA)とボストン コンサルティング グループの報告書(2021年)も、製造を「Front End: Wafer fabrication」と「Back End: Assembly, packaging & testing」の2つに分けて説明しています。注意したいのは、名前の似た FEOL・BEOL です。こちらはどちらも前工程の中の区分で、後工程のことではありません。

用語メモ:OSAT

Outsourced Semiconductor Assembly and Test の略。後工程(組み立てとテスト)を請け負う会社のことです。ASE や Amkor が代表です。

用語メモ:fab(ファブ)

fabrication facility の略で、前工程の工場のこと。ウェーハに回路を作る工場を指します。

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このブロックの参照データ
・SIA・BCG「Strengthening the Global Semiconductor Supply Chain in an Uncertain Era」(2021年4月) 製造を Front End(Wafer fabrication)と Back End(Assembly, packaging & testing)に分けた図
前工程はfront-end(wafer fabrication)、後工程はback-end(assembly, packaging and test)と対応させた全体図

前工程・後工程と、まわりの言葉の英語

まずは、工程の大きな区分と、よく一緒に出てくる言葉の英語です。英語の資料では、区分の名前よりも、それぞれの工程名(次の2つの表)で話すことが多くなります。

日本語 英語 略語・別名 意味
前工程front-endwafer fabrication / wafer fabウェーハの上に回路を作る工程
後工程back-endassembly, packaging and test(ATP)ウェーハをチップに分け、包んで、確かめる工程
前工程の工場fabfabrication facility回路を作るクリーンルームの工場
後工程の受託会社OSATOutsourced Semiconductor Assembly and Test後工程を請け負う会社
ウェーハwafer回路を作るシリコンの円い板
チップdie / chip複数形は diesウェーハから切り出した1個
パッケージpackagepackaging(包む作業)チップを包み、外とつなぐ入れ物
製造装置semiconductor manufacturing equipmenttool(現場での呼び方)工程ごとの機械
たとえるなら

前工程(front-end)は、1枚の大きなシートにたくさんのクッキーの模様を焼き付ける作業、後工程(back-end)は、そのシートを1枚ずつに切り分けて箱に詰め、割れていないか確かめて出荷する作業です。英語でも「前」「後」ではなく、生地を作る側(front)と仕上げる側(back)という分け方になっています。

前工程・後工程・fab・OSAT・ウェーハ・ダイ・パッケージの英語を、工場の流れの上に並べた図

前工程の工程名の英語一覧

前工程の工程名は、装置メーカーの英語サイトの区分にそろえると、海外の人にも誤解なく伝わります。東京エレクトロンの英語サイトは、工程を Deposition(成膜)・Lithography(露光)・Etch(エッチング)・Cleaning(洗浄)などに分けています。

日本語 英語 よく一緒に出る言葉
成膜depositionCVD / ALD / PVD(sputtering)
熱酸化thermal oxidationoxide(酸化膜)
露光(リソグラフィ)lithography / exposurescanner(露光装置)、photomask・reticle
レジストの塗布・現像coat / developcoater/developer(塗布現像装置)、photoresist
エッチングetch / etchingdry etch / wet etch、plasma
ドーピングdopingion implantation(イオン注入)
熱処理anneal / annealingRTA(短時間の熱処理)
平たん化(CMP)CMPchemical mechanical polishing(planarization)、slurry
洗浄cleaningwet clean、single-wafer / batch
配線interconnect / metallizationBEOL、damascene、via
計測・検査metrology / inspectiondefect(欠陥)、CD(寸法)

同じ工程でも、作業そのもの(etching)と装置の区分(Etch)で形が少し変わります。迷ったら、表の「英語」の列の言い方を使えば通じます。

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後工程の工程名の英語一覧

後工程は、ディスコ(切る・削る・磨く)、Kulicke & Soffa(ボンディング)、TOWA(封止)など、工程ごとに装置メーカーが分かれていて、それぞれの英語サイトの言い方が業界の標準の言い方になっています。

日本語 英語 よく一緒に出る言葉
ウェーハテストwafer test / wafer probeprobe card、prober、wafer sort
裏面研削(バックグラインド)back grindinggrinder、thinning(薄くすること)
ダイシングdicingblade dicing / laser dicing、stealth dicing
ダイボンディングdie bonding / die attachdie attach film(DAF)
ワイヤーボンディングwire bondingball bonding / wedge bonding
フリップチップ接続flip chip bondingbump、thermo-compression bonding(TCB)
封止(モールド)molding / encapsulationtransfer molding / compression molding
個片化singulationpackage singulation
最終テストfinal testhandler、tester(ATE)
バーンインburn-inburn-in board

「テスト」は日本語では1語ですが、英語ではウェーハのままの wafer test(wafer probe)と、パッケージ後の final test をはっきり分けて言います。どちらのテストの話かを書くと、行き違いがなくなります。

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まぎらわしい「FEOL・BEOL」との違い

いちばん取り違えやすいのが、FEOL(Front End Of Line)と BEOL(Back End Of Line)です。名前に front・back が入っていますが、どちらも前工程の中の区分です。

言葉 正式な名前 どの工程の中か 作るもの
front-endfront-end(manufacturing)前工程そのものウェーハの上の回路の全部
FEOLFront End Of Line前工程の前半トランジスタそのもの
MEOLMiddle End Of Line前工程の中ほどトランジスタと配線をつなぐ接点
BEOLBack End Of Line前工程の後半何層もの金属の配線
back-endback-end(manufacturing)後工程そのもの切り分け・パッケージ・テスト
注意:「BEOL=後工程」と訳すのは誤りです。BEOLの配線はウェーハのまま作るので、前工程の後半にあたります。後工程を指したいときは back-end または assembly, packaging and test と書きます。
たとえるなら

前工程を「ビルを建てる工事」とすると、FEOLは1階の部屋(トランジスタ)を作る工事、BEOLはその上に何階もの廊下と階段(配線)を積む工事です。後工程(back-end)は、建ったビルを切り分けて運び出し、検査して引き渡す仕事で、建てる工事とは別のものです。

front-endの中にFEOL・MEOL・BEOLがあり、back-endは別の工程だと示す入れ子の図

仕事で混同しやすい言葉

1. front-end・back-end は分野で意味が違う

ソフトウェアの世界では、画面の側を front-end、サーバーの側を back-end と呼びます。半導体の話だとわかるように、semiconductor や wafer の語を添えると安心です。

2. 直訳の pre-process・post-process

前工程・後工程を直訳した言い方ですが、業界団体の報告書や装置メーカーの英語サイトで使われているのは front-end・back-end と工程名です。迷ったら工程名(dicing など)で言うのが確実です。

3. die と chip

どちらもチップのことですが、ウェーハから切り出した1個の半導体を指すときは die(複数形は dies)をよく使います。chip は製品としてのチップも含む広い言い方です。

4. packaging と package

package はチップを包む入れ物、packaging は包む作業や技術です。先端パッケージは advanced packaging と書きます。

ポイント:英語の資料を読むときは、まず「wafer のままの話か(前工程)、die やpackage の話か(後工程)」を見分けると、工程の位置がすぐにわかります。
front-endの分野の違い、直訳の言い方、dieとchip、packageとpackagingの4つの混同しやすい言葉を示した図

この一覧を、どう使うか

あなたにとっての意味
仕事で関わる方へ:海外の装置メーカーや OSAT とのやりとり、英語の仕様書や論文では、工程名の英語がそのまま検索の言葉になります。表の英語で検索すると、メーカーの英語サイトや技術資料にたどり着きやすくなります。
投資家の方へ:海外の決算資料や業界団体の報告書では、front-end(wafer fab)と back-end(ATP、OSAT)を分けて市場や投資を説明することがよくあります。どちらの数字なのかを見分けると、ニュースの意味を取り違えずに済みます。
学生・就活中の方へ:英語の論文や海外のインターンでは、工程名を英語で言えることが基本になります。日本語の工程の記事と、この一覧を行き来しながら覚えると、専門の授業や面接でも役立ちます。

よくある誤解

誤解1:BEOLは後工程の英語

BEOLは前工程の後半(配線)のことです。後工程は back-end または assembly, packaging and test です。

誤解2:前工程は pre-process と訳せば通じる

直訳でも意味は推測できますが、業界の英語の資料で一般的なのは front-end と各工程名です。

誤解3:テストは英語でも1種類

英語ではウェーハのままの wafer test(wafer probe)と、パッケージ後の final test を分けて言います。

まとめ

  • 前工程は front-end(wafer fabrication)、後工程は back-end(assembly, packaging and test、ATP)
  • 後工程を請け負う会社は OSAT、前工程の工場は fab
  • 工程名は装置メーカーの英語サイトの言い方(deposition・lithography・etch・dicing など)にそろえる
  • FEOL・MEOL・BEOL はどれも前工程の中の区分で、BEOLは後工程ではない
  • テストは wafer test と final test を分けて言う

よくある質問

Q. 半導体の後工程は英語で何といいますか?

A. back-end といいます。組み立て・パッケージ・テストの意味で assembly, packaging and test とも書きます。

Q. 半導体の前工程は英語で何といいますか?

A. front-end といいます。ウェーハに回路を作るので、wafer fabrication とも書きます。

Q. BEOLは後工程のことですか?

A. いいえ。BEOLはウェーハの上に配線を積む前工程の後半です。後工程は back-end と書きます。

Q. OSATとは何の略ですか?

A. 後工程の組み立てとテストを請け負う会社のことです。ASE や Amkor が代表的な会社です。

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