先に結論
SK hynixとは、DRAMとNANDフラッシュを作る韓国のメモリ半導体メーカーです(SKハイニックス、証券コード000660)。AI向けGPUの隣に載る高帯域メモリ「HBM」で世界1位(IDC、2026年1〜3月期・売上ベース)で、DRAM全体では世界2位です。
決算は12月締めで、四半期の決算を1月・4月・7月・10月の下旬の朝(ソウル時間9時=日本時間9時)に発表します。次の決算は2026年7〜9月期で、10月下旬の見込みです(前年は10月29日。会社の案内が出しだい、このページと決算カレンダーに書きます)。
このページは、SK hynixの基本データ・決算の読み方・工場の一覧と、このブログのSK hynixに関する記事・最新の速報を1か所にまとめた「会社ページ」です。数字は会社の一次情報(ニュースルームの決算発表・SECへの提出書類)にもとづき、決算のたびに更新します。
この企業の立ち位置:AIインフラ > メモリ(HBM・DRAM・NAND) > SK hynix
サプライチェーン(上流から下流へ)
素材・製造装置→メモリの製造(SK hynix) ←ココ→先端パッケージ(CoWoSでGPUと一体化)→GPU・サーバー→データセンター
関わる技術
HBM3E・HBM4
TSV
MR-MUF
SOCAMM2
eSSD(NAND)
一言でいうと:GPUの性能を決める「メモリの帯域」をHBMで供給し、AIサーバーのDRAMとSSDも担う会社
SK hynixの基本データ
まず、会社の輪郭を1枚の表にします。業績は2025年(1〜12月)の連結の実績で、通貨はウォンです(K-IFRS)。
| 項目 |
内容 |
| 社名 | SK hynix Inc.(エスケイハイニックス) |
| 本社 | 韓国・京畿道利川(イチョン)市 |
| 設立 | 1983年(前身の現代電子産業が利川に最初の工場を建ててメモリに参入。2001年にHynix、2012年にSK hynixに社名変更) |
| 上場 | 韓国取引所(KOSPI、000660)。2026年7月に米国Nasdaqにも上場(ADR、ティッカー SKHY。1 ADR=普通株の10分の1) |
| 筆頭株主 | SKスクエア(20.5%、2026年3月31日時点) |
| 決算期 | 12月(暦年)。四半期の決算を1・4・7・10月の下旬の朝に発表(2026年は 1/28・4/23・7/29) |
| 事業 | DRAM(HBM・サーバー用DRAM・SOCAMM・LPDDRなど)とNANDフラッシュ(eSSDなど。米子会社Solidigmを含む)。2025年の売上の77.1%がDRAM、21.3%がNAND |
| 従業員 | 47,639人(連結、2026年3月31日時点。韓国 35,321人・中国 11,333人・米国 591人) |
| 2025年の売上高 | 97兆1,467億ウォン(前年比 +47%) |
| 2025年の利益 | 営業利益 47兆2,063億ウォン(+101%)、営業利益率 49%、純利益 42兆9,479億ウォン(+117%) |
| 2025年の設備投資 | 27兆5,190億ウォン(有形固定資産の取得。2024年は15兆9,460億ウォン)。2026年は「大幅に増やす」計画(金額の開示なし) |
| 市場シェア(IDC、2026年1〜3月期、売上ベース) | HBM 1位 56.4%、DRAM(HBMを含む)2位 29.1%、NAND 2位 18.5% |
地域別の売上(販売法人の所在地、2025年)は米国が68.8%、中国が19.7%、アジア(中国・韓国以外)7.4%、欧州 2.0%、韓国 2.0%です。最大の顧客1社で売上の23.9%を占めます。配当は2025年に年間3,000ウォン(四半期375ウォン×4回+期末の追加1,500ウォン)でした。
注意:HBMの売上の金額や比率は、会社は開示していません(「前年比で2倍超」などの言い方)。シェアは調査会社ごとに数え方(売上・出荷量)と値が違うので、ここではADRの目論見書が引くIDCの値を書き、四半期ごとの推移は別の記事で同じ数え方の値を追っています。
AIインフラのどこにいるか:GPUの隣の「HBM」を作る
AI向けのGPUは、計算の速さだけでなく、メモリから数字を出し入れする速さ(帯域)で性能が決まります。その帯域を出すために、DRAMのチップを縦に積んでGPUのすぐ隣に置くのがHBMです。SK hynixはこのHBMで先行し、HBM3EからHBM4へ世代を進めています。
HBMのほかにも、AIサーバーのメインメモリ(高容量のサーバー用DRAM、SOCAMM2)と、学習データを置くeSSD(NAND)を供給しています。HBMの基本、DRAMとの違い、作り方は次の3本で押さえられます。
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ポイント:SK hynixが「なぜHBMで先行できたのか」という構造の分析は、別の記事で詳しく書いています。このページは基本データと記事の入口です。
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決算の読み方:年4回の決算と、HBMの言葉の読み方
SK hynixは四半期ごとに、売上・営業利益・純利益(連結、ウォン)を発表します。数字の見通し(ガイダンス)は出さず、HBMや設備投資は「需要が供給を上回る」「大幅に増やす」のような言葉で示すのが特徴です。直近4四半期は次のとおりです。
| 期間 |
売上高 |
営業利益 |
営業利益率 |
純利益 |
| 2025年7〜9月期(実績) | 24兆4,489億ウォン | 11兆3,834億ウォン | 47% | 12兆5,975億ウォン |
| 2025年10〜12月期(実績) | 32兆8,267億ウォン | 19兆1,696億ウォン | 58% | 15兆2,460億ウォン |
| 2026年1〜3月期(実績) | 52兆5,763億ウォン | 37兆6,103億ウォン | 72% | 40兆3,459億ウォン |
| 2026年4〜6月期(実績・速報値) | 79兆3,187億ウォン | 60兆5,426億ウォン | 76% | 93兆9,226億ウォン |
| 2026年7〜9月期(結果) | 10月下旬の発表後に追記 | — | — | — |
4〜6月期は純利益が営業利益を上回っています。営業外の損益を含むためで、内訳は会社の決算資料で確かめてください。決算で見るところは4つです。①売上と営業利益率の方向(DRAM・NANDの価格の動き)、②HBMについての言葉(HBM4の出荷の拡大、長期契約の数)、③設備投資と新しい工場(M15X・龍仁・先端パッケージ)の進み、④次の四半期の需給の見方(「需要が供給を上回る」が続いているか)です。
| 発表 |
時期 |
内容 |
| 四半期の決算 | 1月・4月・7月・10月の下旬の朝(ソウル時間9:00の説明会=日本時間9:00) | 売上・営業利益・純利益、製品ごとの状況の説明、需給の見方 |
| SECへの提出(6-K) | 決算と同じ日 | 速報値の表(百万ウォン)。2026年7月のADR上場後から |
| 事業報告書(DART)・年次報告書(20-F) | 3月ごろ・翌年から | 製品別・地域別の売上、工場、従業員、設備投資の実績 |
注意:数字はすべてウォンです。円で考えるときは為替で変わります。四半期の発表は監査前の速報値で、後から少し直ることがあります。
工場と拠点:利川・清州が中心、龍仁と米国へ
ウェーハの工場は韓国の利川(DRAM)と清州(NAND・新工場)、中国の無錫(DRAM)と大連(NAND)にあります。後工程(組立・テスト)は利川・清州・重慶です。
| 拠点 |
工場 |
技術・状況(2026年10月時点) |
| 韓国・利川 | M10(2005年)、M14(2015年)、M16(2021年) | DRAM。本社の所在地 |
| 韓国・清州 | M11(2008年)、M12(2012年)、M15(2018年)、M15X(新) | NAND。M15Xは2025年10月にクリーンルームを開所し、2026年1〜3月期にウェーハ投入。先端パッケージ工場P&T7は2027年末に完成予定 |
| 韓国・龍仁(半導体クラスター) | 第1工場(建設中) | 2025年2月に着工。第1期のクリーンルームは2027年1〜3月期の開所予定 |
| 中国・無錫 | C2(2006年)、C2F(2019年) | DRAM |
| 中国・大連 | 大連工場 | NAND。2021年12月にIntelから取得(Solidigmの事業) |
| 米国・インディアナ州 | 先端パッケージ工場(計画) | 2028年下期の稼働予定 |
SK hynixの最新の速報解説
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追い風と逆風(2026年10月時点)
追い風:AI向けのメモリの需要
2026年4〜6月期の売上は前年同期の3.6倍、営業利益率は76%でした。会社は「顧客の需要が供給能力を上回っている」とし、約10社と長期契約を結んだと説明しています。
追い風:HBM4とSOCAMM2の立ち上がり
HBM4は2026年4〜6月期に量産出荷を始め、下期に拡大。SOCAMM2(192GB)は2026年4月に量産開始。次のHBM4Eもサンプル出荷を終えています。
逆風:メモリの価格の波
メモリの価格は需給で大きく上下し、利益率も動きます。2025年の営業利益率は49%、2026年4〜6月期は76%と、短い期間で大きく変わっています。
逆風:大きな設備投資と工場の立ち上げ
2025年の設備投資は27兆5,190億ウォンで、2026年はさらに大幅に増やす計画です。M15X・龍仁・米インディアナ州と新しい工場が続き、需要が想定を下回れば償却の負担が残ります。
逆風:顧客と地域の集中、規制
最大の顧客1社で売上の23.9%、米国が売上の68.8%を占めます。中国に無錫・大連の工場があり、米国の輸出規制や装置の持ち込みの制限が運営に影響します。
追い風も逆風も、会社が開示した数字と計画にもとづく整理で、株価の見通しを示すものではありません。
このページの更新の履歴
決算や大きな発表のたびに、基本データと決算の表を更新し、最新の速報を入れ替えます。
| 日付 |
更新した内容 |
| 2026年10月14日 | 作成。2026年4〜6月期の決算まで。次は10月下旬の7〜9月期の決算の後に更新 |
よくある質問
Q. SK hynixの決算はいつ発表されますか?
A. 12月決算で、四半期の決算を1月・4月・7月・10月の下旬の朝(日本時間9時ごろ)に発表します。7〜9月期は10月下旬の見込みです。
Q. SK hynixは何の会社ですか?
A. DRAMとNANDフラッシュを作る韓国のメモリメーカーです。AI向けGPUの隣に載る高帯域メモリ「HBM」で世界1位です。
Q. SK hynixの株は日本から買えますか?
A. 韓国取引所の株式(000660)と、2026年7月に上場した米国NasdaqのADR(SKHY)があります。取り扱いは証券会社ごとに違います。
免責事項:本記事はSK hynixの事業と、AIインフラの中での位置の構造を理解するための情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。業績などの数値は2026年10月14日時点の公開情報に基づき、将来の成果を保証しません。投資判断は、ご自身の責任と最新の一次情報(IR・有価証券報告書など)に基づいて行ってください。
S
シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年
メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、AIインフラを支える半導体・電力・冷却の仕組みを、図解でやさしく解説しています。
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