CoWoS関連銘柄は、どこの会社なのか。
CoWoSを作っているのはTSMC。その周りで、チップを削る・つなぐ・包む装置の会社と、基板と材料の会社が工程ごとに関わります。日本ではディスコ・TOWA・味の素・イビデン・レゾナック、海外ではASMPT・Besi・Amkorなどです。
ただし、各社の資料を読むと「CoWoS向け」とまで書いている会社はほとんどありません。この記事は、CoWoSを作る流れの順に会社を並べ、資料の書き方が「CoWoS」なのか「2.5D」なのか「先端パッケージ全般」なのかも分けて示します。
先に見たい方は 工程ごとの一覧/資料の書き方の強さ/見るときの注意
CoWoS関連銘柄の一覧
CoWoS関連銘柄を工程の順に並べると、作る会社のTSMCとAmkor、接合の装置のASMPT・Besi・芝浦メカトロニクス(6590)、削る・切るのディスコ(6146)、封止のTOWA(6315)、基板の材料の味の素(2802)、基板のイビデン(4062)、後工程材料のレゾナック(4004)、検査のアドバンテスト(6857)です。
※の会社は、ウェーハや前工程の装置として広く関わる会社です。CoWoS向けと書いた資料は見つかっていません。

CoWoSを作る流れ
CoWoS(コワース)は、Chip on Wafer on Substrateの略です。GPUとHBMを、シリコンのインターポーザー(配線の中継板)の上に並べて載せ、それをパッケージ基板に載せる。この2段の「載せる」が名前の由来です。
実際の工程はもっと細かく、順番も種類によって入れ替わります。ここでは会社を並べるための目安として6つに分けました。
CoWoSの中身(GPUとメモリの下に挟むシリコンの板と、その中の道)を、動く図で見られる動画です。
CoWoSとは何か。NVIDIAのGPUを支える仕組み
作る会社:TSMCと、後工程を請け負う会社
CoWoSを作るのはTSMCです。TSMCは前工程のチップの製造だけでなく、CoWoSのような後工程の組み立てまで自社で行います。
2024年10月には、米国の後工程の受託会社Amkorと、アリゾナでの協力の覚書を結んだと両社で発表しました。発表文には、InFOとCoWoSの技術を両社で決めて導入すると書かれています。各社の資料を確かめた中で、「CoWoS」の名前を出していたのはこの発表だけでした。
台湾のASE(日月光)とその子会社SPILも、CoWoSの後半の工程(基板に載せる部分)を受託していると報じられています。ただ、会社の資料ではこの記事の時点で確かめられていません。
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チップの接合:ASMPT・Besi・芝浦メカトロニクス
GPUとHBMをインターポーザーにつなぐのが、ボンダーと呼ばれる装置です。熱と圧力をかけて接合するTCボンダー(熱圧着ボンダー)が使われています。次の世代として、銅どうしを直接つなぐハイブリッドボンディングの装置も開発が進んでいます。
ASMPTは、TCボンダーの市場が2025年の7億6,000万ドルから2028年に16億ドルになると推定しています。会社自身の見立てなので、ほかの調査とは数字が違う可能性があります。
TCボンダーとハイブリッドボンディングは何が違うか
削る・切る・包む:ディスコとTOWA
インターポーザーやHBMは、裏を削って薄くしてから使います。厚いままでは積めない。削るのがグラインダー、切り分けるのがダイサー。日本のディスコが両方を作っています。
ディスコの2026年4〜9月の出荷額は2,845億円で、前の年の同じ時期より37.2%増えました。2026年10月22日の決算短信には「先端ロジックやHBMなどの高性能半導体向け需要が高水準」とあります。
TOWAは、チップを樹脂で固めるモールド装置の会社です。樹脂を上から押しつけて固めるコンプレッション方式を持ち、2026年8月の説明資料では「HBMを中心とした先端パッケージ向け投資は継続」と書いています。封止の樹脂(封止材)では住友ベークライトの名前が挙がりますが、同社の資料で伸びの中心とされたのはパワー半導体向けでした。
ディスコの研磨・切断がHBM・CoWoSで欠かせない理由
パッケージ基板と材料:味の素・イビデン・レゾナック
CoWoSの最後の土台が、パッケージ基板です。いちばん下の板。基板の層の間には、味の素の絶縁フィルムABFが使われます。味の素は2026年6月の資料で「ABF®は、発売以来95%超のシェアを維持」と書いています。AIサーバーでは基板が大きく、層も多くなる。だから使う量が増える、という説明です。
基板そのものを作るのがイビデンです。台湾のUnimicronも大手として知られます。パッケージ基板の大手だった新光電気工業は、2025年に株式の公開買い付けが成立して上場をやめました。
レゾナックは、後工程で使う材料を幅広く持つ会社です。2026年の第2四半期の資料では「半導体後工程材料 主にAI等の先端半導体向けの販売数量増」と書いています。
味の素のABFが世界でほぼ使われている理由
ウェーハ・前工程の装置・検査
インターポーザーはシリコンのウェーハから作ります。ウェーハは信越化学工業やSUMCO、配線を作る前工程の装置は東京エレクトロンなどの会社の製品です。ただ、これらの会社の資料に「CoWoS向け」という書き方は見つかりませんでした。ふつうのチップと同じ製品を広く使う関わり方です。
出来上がったCoWoSのパッケージは、テスターで動作を確かめます。アドバンテストは2026年7月の投資家向けの資料で、SoCテスターの「コンピューティング」の用途にHPC(高性能計算)やAIの最先端のデバイスが含まれると説明しています。テスターのほか、プローブカード・プローバー・テスト受託の会社は半導体検査装置・プローブカードの関連銘柄で工程の順に並べています。
「CoWoS向け」と書いている会社は少ない
この記事を書くために、筆者は並べた会社の決算資料や製品のページを1社ずつ開きました。わかったのは、「CoWoS」という言葉を使っている会社がほとんどないことです。多くは「2.5D」や「先端パッケージ」「HBM」と書いています。
顧客の名前や製品の行き先は、どの会社もふつうは公表しません。だから「CoWoS関連」という呼び方の多くは、報道や証券会社の分析での分類です。この記事は、会社が自分で書いた範囲と、報道での分類を分けて書きました。迷ったのはディスコとTOWAで、資料の「先端ロジック」「先端パッケージ」がCoWoSを含むのはほぼ確かでも、そう書かれてはいない。だから表では3段目に置いています。
CoWoSの関連企業を3層で整理
メモリ・HBM・先端パッケージのカテゴリーで使う3層(素材・装置/製造・パッケージ/設計・ユーザー)に当てはめると、次のようになります。
先端パッケージの日本企業を1枚の地図で
CoWoS関連銘柄を見るときの注意
CoWoSの生産能力の数字は、ニュースでよく目にします。ただ、TSMCの決算の発表資料には、CoWoSの月産の数字は出てきません。報じられている数字の多くは調査会社や証券会社の推定です。この記事には載せていません。
よくある質問
この記事で工程ごとに並べた会社を、半導体の産業全体の中で位置づけたい方に。本書(ダイヤモンド社)は、半導体産業の構造と関連企業を製造工程から整理した本で、IDM・ファブレス・ファウンドリー・OSATの関係から、工程ごとの装置・材料の代表的メーカーまでを取り上げ、世界の半導体トップ企業38社の解説の章もあります。





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